フランス国旗の色は最も有名なトリコロール(3色)と呼ばれていますが、その色の由来はご存知でしょうか?

大使館のホームページなどを見てみると、青、白(ドラクロワの絵画でも知られている女神・マリアンヌの横顔を象っていることもある)、赤の三色があり、一緒に「自由・平等・博愛」のスローガンが記されていたりします。

フランス革命も大きな役割を果たしている旗の成り立ちを見てみたいと思います!

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色には意味がある

白であれば王党派、あるいは民主主義、赤であれば共産党。

旗の色には、同じ文化圏の人間であれば、こんな風にぱっと見て、所属や思想を伝えるような効果があります。

もちろん、フランス国旗も同様で、色に意味を持たせています。

なぜ他の色ではなく、青、白、赤が選ばれたのか。

これは長いフランスの歴史の中で培われた色への価値観が影響していたりします。

トリコロールの色の意味

フランスの国旗は、もとから三色をセットとして扱われていた訳ではなく、それぞれに違った意味を持ち、違った経緯でもって、旗に加えられました。

トリコロールブルー

古代ローマの習慣から来ています。

その時代、外套用のトガ(礼服)を脱ぎ捨てることは世界から自身が身を引き、隠居することを意味していました。

その慣習はやがて時代を経て、キリスト教に聖なる行いとして引き継がれます。

それをしたのは初期キリスト教教父であり、キリスト教ラテン文学の確立者として知られるテルトゥリアヌスであると伝えられています。

七世紀になると、洋服の為の青のパステルカラーや絵画の為の群青が新しい色素として誕生し、それらは富を象徴する色になりました。

その色が、トガを脱ぎ捨てるという聖なる慣習と融合し、青は聖なる色へと変化したのです。

青は処女マリアの衣の色であり、同時に聖マルチヌスの大外衣の色となりました。

古い時代の絵画を見に行くと、キリスト抱える聖母マリアや、パンを配り歩く聖マルチヌスが青い衣を身に纏っていますが、それはこの慣習に影響された為です。

カロリング朝でこの伝統の様式は起こり、メロビング朝の王たちによって魔法の道具として扱われ、カペー朝では聖なる色としての地位を確固としたものしました。

歴代の王が儀式の時に青を身に纏ったのも、その聖なる効果を期待していたからなのでしょう。

カペー朝より王の象徴として用いられてきた青の色は、12世紀になると軍にも使用されるようになり、同時にフランスという国が教会の同胞であることを示す色になりました。

他にも、青という色がセーヌ川を象徴しているという解説もあります。

トリコロールホワイト

これは十字軍の遠征から来ているようです。

この時代、敵味方の区別を付ける事を旗の色でしていて、十字軍が遠征する時には、サン・ミッシェルという青地の上に白い十時が描かれたものを使用していました。

これは、サタンと戦う大天使を想起させるもの、あるいは敵を地獄へ送るという事を象徴していたようです。

1300年の金拍車の戦いでは、サン・ミッシェルの旗をたなびかせる事で士気を上げたという記録も残っています。

また、百年戦争時においては、紅い十字の象徴する英国とサン・ミッシェルの白い十字とで対比がなされました。

1418年には、前年に王太子となったシャルル4世の末息子が、サン・ミッシェル旗の上で竜とそれを打ちのめす大天使の図を軍旗として認可しました。

白は血を意味する赤とは対照的に、光や光明そして王家(白百合)を意味するようになります。

トリコロールレッド

ギリシャでは自由を意味した赤色ですが、フランスでは、宗教家、政治家、歴史家であり、「祖国の父」として知られるシュジェールによって、サン・ドニ大聖堂の紋章に用いられた色でした。

これはパリの最初の司教であると同時に、サン・ドニでの殉教者の聖職者を象徴する色だそうです。

この聖職者、サン・ドニに敬意を払っていたヴェクサン侯爵は戦争時にこの旗を持ち運び、更には後の1077年に彼と会った、当時王であったフランソワ一世が、この旗をみて、大修道院の警備兵の旗に起用しています。

このサン・ドニの紋章は1170年前後から « oriflamme »と呼ばれるようになり、やがては神によって課せられた使命を持つカペー朝王家の正当性を示すものとなりました。

カトリックの葬儀の際になされる祈祷では、クローヴィスが神からこの紋章を授かったと言及されているとか。

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フランス革命で現在のフランス国旗が誕生

この中の赤と青はやがて、パリ市の紋章として使用されるようになります。

14世紀中頃には、後にプレヴォ(国王の地方執政官、あるいは領主の代理裁判官)となるエティエンヌ・マルセルも同じように青と赤を、自身の支持者と陪席判事職のために使用していますが、それによって、彼の死後、パリの紋章と彼の作った紋章が同化することになりました。

さらに王家を象徴する白がフランス革命時に加わったことで、現在でも知られているフランスの国旗が完成します。

王家や貴族の面々が処刑され、市民が台頭したフランス革命ですが、それを象徴するように、パリ市をイメージさせる青や赤に白が囲まれているため、白(王家)は市民によって旗という枠にはめ込まれたという解釈をする人もいるようです。


ちなみに、ロベスピエールがこの三色旗に「自由・平等・博愛」のスローガンを記載することを命じるよう言及しています。

まとめ

現代では、革命によって得た市民の権利と自由の象徴であり、近代国家の始まりの象徴とも言えるフランス国旗ですが、その国旗が完成するまでには、様々な時代の、色んな人の願望や思惑が込められてきたと言えそうですね。

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