みなさんは、
神社ときいてどの神社が最初に思い浮かびますか?
伊勢神宮?
出雲大社?
石清水八幡宮?
日光東照宮・・・?
・・・と思い浮かぶままに書いてみると、
不思議なことに、
同じ「神社」のはずなのに
「神宮」や「大社」など、
末尾が違うものが多くありますね。
その違いはどこにあるのか気になってきたので、
神社の呼び名の違いについて調べてみました。
神宮と八幡宮って何が違う?
手始めに、同じ「宮」がついていても何かが違う、
「神宮」と「八幡宮」についてお調べしました。
「神宮」は、神社の中で最も格式が高い神社
実は神社にはその成立ちや御祭神などによって
格が定まっています。
その格によって「社号」と呼ばれる呼び名が
異なっているのです。
「社号」には「神宮」「大社」「宮」「社」など
様々あります。
全国に約8~10万社あるという神社の中で、
最も格式が高い神社につく社号が「神宮」。
その次が「大社」と「宮(ぐう・みや)」です。
「神宮」は、歴代天皇や皇室の祖先神を祀っている神社。
中でも伊勢神宮は、
天皇の祖先である「天照大御神」を祀っており、
すべての神社の頂点に位置するとされ、
別格中の別格扱いです!
そもそも、平安時代には神宮と名乗れる神社は
伊勢神宮(三重県)・鹿島神宮(茨城県)・香取神宮(千葉県)の
3社しかありませんでした。
明治期になって、
皇室と縁が深い神や祖先神を御祭神とする神社が
天皇の許しを得て社号を「神宮」に改称しました。
第2次世界大戦までは、
天皇の許可が下りないと「○○神宮」とは名乗れなったのです。
終戦後は自由に神宮と名乗ることが
できるようになりましたが、
それなりの由緒と格式がないと事実上名乗れません。
そのように格式が高い「神宮」は、
全国でわずか24社しかありません。
「八幡宮」は神社の系列グループのひとつ
「神宮」の次に格が高いとされるのは、「大社」。
「大社」は、
その地域の信仰の中枢になる大きな神社で、
こちらも神宮同様、大変格式が高く、
全国に24社しかありません。
「大社」は企業グループでいえば“本社”に当たり、
同じ御祭神を祀っている他の神社
(“支社”、“支店”にあたります)を
統括している総本社の役目を担っている社が多いです。
このように、
同じ御祭神を祀る神社の系列がいくつかあって、
いまからお話しする「八幡宮」もその系列のひとつです。
「八幡宮」は
御祭神を八幡神(はちまんしん・やはたのかみ)とする神社。
八幡神とは、第15代天皇である応神天皇。
比売神(ひめがみ・神道の女神)、
神功皇后(じんぐうこうごう・応神天皇の母)
も合わせて八幡神として祀っている神社もあります。
八幡神は武運の神様で、武士の隆盛に伴って、
篤く信仰されるようになりました。
「八幡宮」の総本社は、
大分県宇佐市の「宇佐神宮」です。
宇佐神宮は725年に創建され、
奈良時代から伊勢神宮に次ぐ天皇家の宗廟として
皇室の崇敬を集めてきた、
大変由緒ある神宮です。
先ほど「大社」が系列グループの総本社に
なっていることが多いと述べましたが、
八幡宮の御祭神は
応神天皇など天皇を祀っているので、
宇佐「神宮」が総本社になります。
このように、神社の中で
最も格の高いのが「神宮」です。
「八幡宮」は「宮」がつく神社として
「神宮」に次ぐ位置であり、
天皇を御祭神として祀っている大変格式のある神社といえます。
まだある違い!天満宮・東照宮も解説
神社には格があって、
「神宮」が最も格上で、
「神宮」に次ぐ位置にあるのが
「大社」と「宮」であるとわかりました。
「宮」は、鎌倉宮(神奈川県)のような
親王(皇室の皇子)や皇孫をご祭神とする神社。
「八幡宮」も、天皇などを御祭神としているので、
「宮」がつく神社の制度にのっとっていますね。
しかし、社号の制度とは関係なく
例外的に「宮」を名乗る神社も数多く存在します。
その例外の代表的なものが「天満宮」と「東照宮」です。
順に解説していきましょう!
「天満宮」は学問の神様・菅原道真公を祀る神社
天満宮の御祭神は
平安時代、優れた学者だった菅原道真公。
菅原道真は、異例のスピードで出世した超エリート。
しかし、道真をねたむ人物からの讒言により、
京の都から大宰府に左遷されてしまいました。
道真が大宰府で失意のうちに亡くなった後、
都では天変地異が続いた上、
道真の左遷に関わった人物が次々に突然死を遂げました。
これらが「道真のたたりだ~!」と
恐れられるようになり、
たたりを鎮めるために、
京都に「北野天満宮」を建立したのが、
「天満宮」のはじまりです。
「天満」とは、神格化した道真の神号
「天満大自在天神」に由来します。
また、別名「天神様」と呼ばれることがあるのは、
天変地異を引き起こした(?)道真と、
雷の神様である「天神」を結び付けて考えられる
ようになったため。
以来、大災害が起こる度に天満宮が建立され、
今では全国に約12,000の
「天満宮」=「天神社」があるとされます。
今年(2018年)はとても自然災害の多い年で、
今年の漢字も「災」でした。
どこかにまた天満宮を建立してほしいところです・・・!
受験生には学問の神様としての菅原道真公は大人気で、
受験シーズンになると遠方であっても
大宰府天満宮や北野天満宮に御参りする人が多数。
それにしても雷の神様かつ学問の神様という
守備範囲広すぎ!な菅原道真公は、
本当にすごいお方だったのでしょうね・・・!
「東照宮」は徳川家康がご祭神
「東照宮」と言えば、栃木県の日光東照宮が有名ですね。
日光東照宮は、「東照宮」の総本山です。
「東照宮」は、
徳川家康の一周忌に、
静岡の久能山から日光に遺体を移した際に
(※分霊しただけとの説もあります)
「東照社」を建立したのがはじまりです。
家康が栃木県日光に祀られたのは、
本人の遺言によるといわれています。
1645年に天皇の命令により
「宮」を名乗ることになり「東照宮」と改称されました。
東照宮の「東照」は、
家康の死後、神格化したときの神号、
「東照大権現」に由来します。
家康は自分の死後、神様となって
日本全国の平和を守りたかったそうです。
世界遺産にも登録された「日光東照宮」。
今や日本にとどまらず、世界中の人々に
日本の平和と文化を伝える存在となりつつあります。
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一発解決!神社の種類と神様一覧
神社には、御祭神を同じくする系列グループが
あると述べました。
「神宮」や「大社」は数がとても少ないですが、
“グループの支店”は全国津々浦々、
たくさん出店されていますので、
身近でなじみ深い神社がほとんどです。
そこで主な13系列グループごとの
神社とご祭神をまとめてご紹介します。
稲荷社
神社数:全国に約30,000社
御祭神:宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
総本社:伏見稲荷大社(京都市伏見区)
ご利益:商売繁盛・産業繁盛
「お稲荷様」として親しまれています。
もとは農業の神様。
全国で最も神社数が多いといわれます。
八幡社(八幡宮)
神社数:全国に約25,000社
御祭神:応神天皇(誉田別尊)
仲哀天皇、神功皇后
総本社:宇佐神宮(大分県宇佐市)
ご利益:勝負運・無病息災・家内安全
「八幡様」とも呼ばれています。
全国で第2位の神社数。
神明社
神社数:全国に約10,000~18,000社
御祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)
総本社:伊勢神宮(三重県伊勢市)
ご利益:人生が沈まない、豊かさを受け取る
天神社(天満宮)
神社数:全国に約12,000社
御祭神:菅原道真公
総本社:北野天満宮(京都市上京区)
太宰府天満宮(福岡県太宰府市)
ご利益:学業成就
別名「天神様」。
学問の神様として信仰されていましたね。
諏訪神社
神社数:全国に約5,000社
御祭神:建御名方神(たけみなかたのかみ)
八坂刀売神(やさかとめのかみ)
総本社:諏訪大社(長野県諏訪市)
ご利益:農業の守護、海の守り神
新潟県や長野県に多いです。
熊野神社
神社数:全国に約3,000社
御祭神:都御子神(けつみこのかみ)
熊野速玉男神(くまのはやたまおのかみ)
熊野牟須美神(くまのむすみのかみ)
総本社:熊野本宮大社(和歌山県田辺市)
ご利益:家庭円満、長寿
総本社の熊野本宮大社は、
熊野速玉大社・熊野那智大社と合わせて
「熊野三山と呼ばれています。
春日神社
神社数:全国に約3,100社
御祭神:天児屋根命(あめのこやねのみこと)
武甕槌命(たけみかづち)
経津主命(ふつぬしのかみ)
比売神(ひめのかみ)
の四神が春日神と言われる
総本社:春日大社(奈良県奈良市)
ご利益:勝負運・出世・開運・縁結び・恋愛成就・
家内安全・子孫繁栄
御祭神が4柱ということで、ご利益も豊富です。
八坂神社
神社数:全国に約2,900社
御祭神:素戔嗚尊命(すさのおのみこと)
総本社:八坂神社(京都市東山区)
ご利益:疾病や厄除け
「祇園さん」と呼ばれています。
白山神社
神社数:全国に約2,700社
御祭神:菊理媛神(くくりひめのかみ)
伊弉諾尊(いざなぎ)
伊弉冉尊(いざなみ)の
3柱をお祀りしているところが多い
総本社:白山比咩神社(石川県白山市)
ご利益:縁結び・和合
富士山・立山・白山の三霊山を祀る神社です。
住吉神社
神社数:全国に約2,100社
御祭神:底筒男命(そこつつのおのみこと)
中筒男命(なかつつのおのみこと)
表筒男命(うわつつのおのみこと)
総本社:住吉大社(大阪市住吉区)
ご利益:航海の安全
日吉(山王)神社
神社数:全国に約2,000社
御祭神:大山咋神(おおやまくいのかみ)
大物主神(または大国主神)
総本社:日吉大社(滋賀県大津市)
ご利益:厄除け・方除け・出世運
「山王」は日吉の神様の別名です。
金毘羅神社
神社数:全国に約1,900社
御祭神:大物主神(おおものぬしのかみ)
総本社:金刀比羅宮(香川県仲多度郡)
ご利益:大魚祈願・五穀豊穣・商売繁盛
恵比寿神社
神社数:全国に約1,500社
御祭神:※総本社によって異なる
三穂津姫命(みほつひめのみこと)
事代主神(ことしろぬしのかみ)
総本社:美保神社(島根県松江市)
ご利益:五穀豊穣・海上安全・商売繁盛
総本社がもう一つ。
兵庫県西宮市の西宮神社です。
御祭神:蛭児大神(えびすだいじん)
天照大御神(あまてらすおおみかみ)
大国主大神(おおくにぬしのかみ)
須佐之男大神(すさのおのみこと)
ご利益:商売繁盛・福徳円満
神社には多くのグループがありますね。
地域によってご縁が深い神様もあるでしょう。
古来から私たちを見守ってくださっていた神社。
大切にしたいですね。
「宮」と「神社」の決定的な違いまとめ
「神社」とは、
神道の神様を祀っている施設の総称です。
「神社」と名乗るための条件のようなものはなく、
ほとんどの神社は「○○神社」と名乗っています。
「神宮」「宮」「大社」などの社号がついた神社も
すべて「神社」の一部にあたります。
「宮」は、
「神社」のなかでも親王と呼ばれる天皇家の男子や
皇孫をご祭神とする神社が名乗る社号です。
しかし、例外的に歴史上の重要人物を祀った神社に
「宮」がついている場合があり、
菅原道真を祀った「天満宮」や徳川家康を祀った
「東照宮」が有名です。
寺社仏閣巡りを激安で旅行するには?
寺社仏閣巡り旅行を手堅く、安くいくなら
やっぱり早めの予約に限ります!
ネット予約にせよ、ご自身の直接手配にせよ、
早い段階での予約に勝る激安はありません!
筆者の経験上、
全国の激安ツアー予約であれば楽天トラベル
が最強ではないかと思っています。
予約数でツアー料金が増減する
楽天トラベルのシステムは、
簡単に言えば早い者勝ち!
予約が早ければ安くなる明快なシステムです。
絶対安く!と言うのであれば、
楽天トラベルの一択ですね。
また、航空券は先に購入したけど、
肝心な宿泊先がまだ決まっていない・・・
そんな方は、楽天トラベルの前に、
ホテル予約サイトの「トリバゴ」をおすすめします。
トリバゴでは予告なしで
トリバゴ独自のセールを開催しているので、
楽天トラベルのサイトよりも同じホテルが
安く泊まれることもしばしばあります。
最終的にどの予約サイトで
ホテル予約をしてもいいのですが、
先ずはトリバゴを見てから予約された方が賢明です!
まとめ
普段あまり意識することがない神社の社号ですが、
調べてみるといろいろありますね。
神宮も八幡宮も、
皇族・皇祖神と縁が深く
大変格式が高い神社なのですね!
それにしても、
神様になぞらえて祀られている
菅原道真や徳川家康も偉大な存在です。
初詣や観光で神社を訪れることがあったら、
ぜひ神社の成立ちや社号との関連を
みつけてみてくださいね!