玄米と発芽玄米の違いは何?栄養や糖質&カロリーとその危険性は?

健康志向が高まる中、玄米、雑穀米、胚芽米、発芽玄米など様々な種類のお米が店頭には並び人気を集めています。

でも一体何を食べたら一番健康になるの?

そもそもこれらのお米の違いって何?

健康に良いって何が良いの?

栄養や糖質、カロリーに、それと安全性は?

そんな疑問を持っている人も少なくないと思います。

そこで今回は玄米と発芽玄米についてお話しします。


 

そもそも普通のお米と玄米の違いって?

通常お米は収穫後、乾燥させ、もみすりと呼ばれるもみ殻を取り除く作業を行います。

この時のお米が玄米です。

そして玄米を精米して胚芽と糠層を取り除くと白米になります。

この段階で精米歩合により七分つき米、半つき米、精白米、はいが精米などと呼ばれるお米になります。

実はこの取り除かれた胚芽や糠にたくさんの栄養成分が含まれているため玄米は白米に比べて栄養価が高いのです。

何とももったいない話ですが、玄米のままでは吸水から炊き上がるまでの時間と手間がかかります。

また炊いても硬くてボソボソした食感が食べにくいことから敬遠されていました。

発芽玄米とは? 玄米と何が違うの?

発芽玄米は読んで字のごとく玄米を発芽させたものです。

発芽と言っても0.5~1mm程度、ほんのわずか。

これにより発芽する際の酵素の働きにより玄米中の栄養素が増えます。

更に、玄米自身が発芽し成長するために必要なさまざまな成分を新たにつくりだします。

そして、これらの物質は私たちのカラダに非常に有効な成分なんです。

まさにモヤシと一緒ですね。

 

さらに玄米を敬遠する理由となっていた炊く際の時間と手間。

これも発芽による酵素の働きで成分が変化し、発芽玄米は白米と同じ吸水、炊飯方法で白米に近いやわらかい食感に炊き上げることが可能になります。

このため白米と好みの割合で混ぜて炊くことも簡単にできます。

また玄米はその硬い食感のため消化が悪くしっかり噛んで食べないとせっかく豊富に含まれている栄養素も体内で消化・吸収されません。

発芽玄米はこの点でも玄米と比べて優れていると言えるでしょう。

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玄米、発芽玄米の栄養成分比較

玄米と白米

まずは玄米と白米について見てみましょう。

成分項目等玄米100g当り白米100g当り玄米/白米比
食物繊維水溶性0.7g微量
不溶性2.3g0.5g460%
総量3.0g0.5g600%
ビタミンE トコフェロール α1.2mg0.1mg1200%
10.41mg0.08mg513%
20.04mg0.02mg200%
ナイアシン6.3mg1.2mg525%
60.45mg0.12mg375%
葉酸27mg12mg225%
パントテン酸1.36mg0.66mg206%
ビオチン6.0μg1.4μg429%
ミネラル
(無機質)
ナトリウム1mg1mg100%
カリウム230mg88mg261%
カルシウム9mg5mg180%
マグネシウム110mg23mg478%
リン290mg94mg309%
2.1mg0.8mg263%
亜鉛1.8mg1.4mg129%
0.27mg0.22mg123%
マンガン2.05mg0.80mg256%
セレン3μg2μg150%
モリブデン64μg69μg93%
エネルギー350kcal356kcal98%
水分15.5g15.5g100%
たんぱく質6.8g6.1g111%
アミノ酸組成によるたんぱく質5.9g5.1g116%
脂質2.7g0.9g300%
トリアシルグリセロール当量2.4g0.8g300%
炭水化物73.8g77.1g96%
灰分1.2g0.4g300%
脂 肪 酸飽和0.62g0.29g214%
一価不飽和0.82g0.21g390%
多価不飽和0.90g0.31g290%

データ参照:http://ysf.jp/gen/seibunhyo.html

玄米は白米と比べてビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでいます。

例えば食物繊維は白米のなんと約6倍も!!。

その他ビタミンB1、ビタミンE、ミネラル類ではカリウム、リン、鉄、マグネシウム、亜鉛など私たちのカラダに必要な成分がたくさん含まれています。

これらはどれも私たちに必要不可欠な栄養素です。

例えば食物繊維は腸のぜん動運動を高め便秘の解消に効果的なこと以外に血中のコレステロールの上昇を抑えたりします。

また、発ガン性物質など有害成分の排出を促す作用や腸内細菌叢を改善するなどの働きがあります。

ビタミンB1は体内で糖質をエネルギーに変えるのに必要な成分。

ビタミンEは『若返りのビタミン』とも言われ老化防止に効果があると言われています。

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その他、ミネラル類もそれぞれ体内で重要な働きを担っていてカリウムは塩の主成分であるナトリウムの排出を促す作用。

リンは骨や歯などを丈夫にする作用、鉄は不足すると貧血に…、などが挙げられます。

 

次に発芽玄米と玄米を比べてみましょう。

発芽玄米と玄米

玄米には豊富な栄養素が含まれていますが、その一部は私たちの体内に吸収されにくいカタチになっています。

玄米を発芽させると何が起こるのでしょうか?

小さな米粒内では様々なことが起こります。

玄米が成長するための酵素が活性化され、元々の物質に大きな変化を与え、発芽・成長しようとします。

これにより一部の栄養素はカタチを変え、私たちが食べた際に消化・吸収されやすくなります。

また糖質やタンパク質は分解されて甘みが増し、旨み成分もアップします。

さらに老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化性物質の働きも活性化されます。

 

さらに注目すべきは玄米を発芽させることによりGABA(ギャバ)と言われるアミノ酸が格段に増加すること。

何と玄米の2倍以上もですよ!!

GABAは現在人に対する健康面での有効性について様々な面から研究されていて、GABA配合の健康食品やGABA入りのチョコレートも売っていたりと注目されていますよね。

本当に発芽パワーは恐るべしです。


玄米と発芽玄米のカロリーや糖質量は?

ではダイエット中の人は特に気になるカロリーや糖質量ですが、残念ですがはっきり言ってそれ程の差はありません。

しかし玄米はその食感のためしっかりと噛んで食べることになるので白米に比べて満腹感が得られると言われています。

結果としては、栄養素の消化吸収率、吸水や炊飯時間など食べる際の手間、含まれる栄養素の多さなど総合的に考えて発芽玄米が健康を気にする人にとっては最も魅力的なのではと思います。

 

玄米、発芽玄米の危険性?

玄米、発芽玄米を食べる上で、注意しておきたい事を少しだけ。

玄米は白米と違い、その粒には『籾』『糠』が付いています。

この『籾』と『糠』には残留物が多く体積しているとの報告があります。

つまり、農薬を沢山使った玄米は必然的に残留農薬が多く残っているという事。

ちなみに白米は、精米時に全てび籾と糠がそぎ落ちてしまうので、残留農薬は殆ど残っていません。

 

それと、もう一つ。

玄米には生きた玄米と死んだ玄米の2種類が存在します。

違いを簡単に説明すると・・・。

 

生きた玄米=『発芽する玄米』

死んだ玄米=『発芽しない玄米』

 

かなり簡単ですが、これだけなんです。

 

残念ながら、近隣のスーパーで売られている玄米はかなりの割合で『死んだ玄米』が含まれています。

噂によると、割合は8割を超えるとも・・・。

 

では、どうやって生きた玄米を購入するのか・・・。

 

これは、信用のおける販売店から玄米を購入するしかない。

残念ながら、これがしかないのが現状です。

 

玄米が生きた玄米かどうかを判断する基準は『発芽』です。

炊飯前に玄米を約40度のぬるま湯に6時間浸すか、水に丸一日浸し、玄米から発芽が見られれば、それは『生きた玄米』です。

死んだ玄米には『アブシジン酸』が含まれており、このアブシジン酸が体に何らかの影響を及ぼすそうです。

折角、健康食を頂いているのに、逆に体調が悪化するなんて本末転倒。

少し気を付けたいポイントですね。

まとめ

発芽玄米は現在スーパーなどで簡単に購入できます。

しかし玄米に比べて値段が高いという大きな問題が…。

それを解決する簡単な方法としては「自分で発芽玄米をつくる!!」。

水をはったボールにぬるま湯を入れ1~2日置けばできます。

これだけ読むと温度管理さえちゃんとできれば簡単そうですが、雑菌の繁殖による腐敗の心配や、発酵する際に独特なニオイがするということからなかなかハードルは高そう。

まずは試してみたいという方は手軽に利用できる市販品の発芽玄米を購入してみるというのも一つの手段かも。


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